根本不是童话 表情占位:s:138
大洋伞竹久梦二
这是把很大很大的洋伞。
干子最近刚从乡下转入新学校,不管发型也好,衣服也好,跟东京的女孩子比起来,都显得相当土气。不过,干子对这种事却不大在意,她认真地学习功课,积极地参加体育运动,总之是个非常出色的女孩子。打个比方说,就有点像是面朝太阳,向蓝天尽情伸展枝叶的,正在茁壮成长的小树那种感觉。
即便是这样,但因为干子每天都带来学校的那把洋伞,也实在是太大了点,所以很快就在学校里传开了。
不管哪个班里都会有一两个口尖舌利、爱搬弄是非的学生,干子班里也有这样两个名叫时子和朝子的,说话尖酸刻薄的学生。
有一天,干子在上学途中,遇到了这对讲话尖酸刻薄的同学。不消说,她照例是带着那把样伞的。
因此,马上就传来了嘲笑的声音。
“啊呀,我还在想,这是哪来的绅士呢,原来是干子啊。早呀,干子。”时子打招呼道。
原来,干子的大洋伞是用黑色洋绒呢子织成的,伞柄又粗又大,怎么看都像是祖父用的老古董。说不定事实也正是如此。这种情形下,“我还在想,这是哪来的绅士”这句话,真的是非常形象,所以大家全都笑了起来。
干子也一起笑了起来,道了声“早上好”,就好像是在说,无聊的朋友没必要在意似的。然后快步离开现场,笔直向学校走去。
“那把洋伞好大,撑起来就不会被太阳晒着,真好啊”
“是啊,所以干子的皮肤才那么白呢。”
这样的嘲笑声也传入干子耳中,不过干子显得很平静,什么都没说。
“不过,干子的乡下说不定很时髦呢。”
“是啊,我想干子的父亲一定是开药店的。所以,干子现在是在走江湖卖药呢。看吧,卖药郎中不都是撑着把大大的洋伞,这么唱着歌走来走去的吗?”时子这么说着,用滑稽的调子唱起歌来,“正宗的赞歧高松千金丹”
“对啊,对啊!”
“一定就是这样。”
两个人七嘴八舌地说道。
这时,干子毫不在意的静静转过身。
“我要是卖药郎中的话,会卖给你们好药的,请放心吧。”
她一边笑着这么说,一边大步往前走。
这之后过了四五天,上课的途中突然下起雨来。等到课上完后,大雨已经倾盆而下了。
现在这个时候,正该是备受嘲笑的大洋伞大显身手的时刻了。
看见时子和朝子撑着纤小漂亮的洋伞,干子对她们说:“大家都进来吧,因为很大,大家都进得来。”
三个人亲密地躲在又大又时髦的洋伞下,一点雨都没淋着就回到家了。
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原文:
大きな蝙蝠傘
竹久夢二
それはたいそう大きな蝙蝠傘でした。
幹子(みきこ)は、この頃(ごろ)田舎(いなか)の方から新しくこちらの学校へ入ってきた新入生でした。髪の形も着物も、東京の少女に較(くら)べると、かなり田舎染みて見えました。けれど、幹子はそんな事を少しも気にかけないで、学科の勉強とか運動とか、つまり、少女のすべきことだけをやってのけると言った質(たち)の少女でした。たとえば青い空に葉をさしのべ、太陽の方へ向いてぐんぐん育ってゆく若木のようにのんびりした少女でした。
それにしても、幹子が毎日学校へ持ってくる蝙蝠傘は非常に大きなもので、忽(たちま)ち学校中の評判になりました。
どこの級にも、頓智(とんち)があってたいへん口が軽く、気の利いたことを言っては皆を笑わせることの好きな愚(おろか)な生徒が一人や二人はあるものです。幹子の級にも、時子(ときこ)と朝子(あさこ)という口のわるい生徒がありました。
ある日、幹子(みきこ)は学校へゆく途中で、この口のわるい連中に出会いました。むろんこの時、幹子は例の蝙蝠傘(こうもりがさ)を持っていたので、忽(たちま)ちそれが冷笑の的になりました。
「あら何処(どこ)の紳士かと思ったら、幹子さんだったわ、幹子さんお早う」
時子(ときこ)が言った。なるほど幹子の蝙蝠傘は、黒い毛繻子張(けじゅすばり)で柄の太い大きなものだから、どう見ても、祖父様(おじいさん)の古いのをさしたとしか見えませんでした。事実またそうであったかもしれません。この場合「何処の紳士かと思ったら」というのは、ほんとに適評だったので、皆はどっと笑いくずれました。
幹子も一緒になって笑いながら「お早う」と挨拶(あいさつ)して、つまらないお友達にかまってはいられないと言ったように、さっさとそこを通りぬけて、まっすぐに学校の方へ歩いた。
「あのくらい蝙蝠傘が大きかったら日にやけないで好(い)いわね」
「ええ、だから幹子さんは、お色が白いわよ」
そう言って冷笑しているのも幹子の耳へ這入(はい)った。けれど幹子は何を言われても平気でいた。
「でも幹子さんの田舎(いなか)じゃあれでたいへんハイカラなのかも知れないわ」
「そうね。私はこう思うの、幹子さんのお父様はきっと薬屋さんに違いないわ。だから幹子さんをいまに薬売(くすりうり)にするんだわ。ほら、よく薬売があんな大きな蝙蝠傘をさして来るでしょう。「本家、讃岐(さぬき)は高松(たかまつ)千金丹(せんきんたん)……つて歌って来るじゃないの」そう言って時子は、面白く節をつけて歌って見せた。
「そうよ、そうよ」
「きっとそうだわ」
と口口に言うのでした。
この時、幹子は静かに気にもかけないような風で振返りながら、
「私が薬屋になったら、好(よ)い薬を売ってあげますから、安心していらっしゃいな」
幹子は、笑いながらそう言って、すたすたと行ってしまった。
そう言われると、口のわるい連中も、さすがに何も言えないで黙っていた。
それから四五日してから学校の授業中、俄(にわか)に雨が降りだして、授業の終る頃(ころ)には流れるように降ってきた。
今こそ、この冷笑の種になった大きな蝙蝠傘が役にたつ時が来た。
幹子は、時子や朝子(あさこ)が、小さな美しい蝙蝠傘を持てあましているのを見かねて、
「皆様この中へ這入っていらっしゃいな、大きいからみんな這入れてよ」
三人は仲よく、大きなハイカラな蝙蝠傘のお蔭(かげ)で、少しも雨にぬれないで家(うち)へ帰ることが出来たのでした。
底本:「童話集 春」小学館文庫、小学館
2004(平成16)年8月1日初版第1刷発行
底本の親本:「童話 春」研究社
1926(大正15)年12月
入力:noir
校正:noriko saito
2006年7月2日作成
青空文庫作成ファイル:
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