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《八音钟》——新美南吉

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精华
楼主:流云之鹰 2009-07-30

八音钟
新美南吉

二月的一天,在寂静的野地里,一个少年和一个中年男子同路走着,少年十二三岁的模样,男子三十四五岁,挎着一个皮包。
天很暖和,没有一丝风,路上的积雪已经融化,到处都湿漉漉的。
在枯草的背影里,有几只乌鸦在玩耍,它们被两人的脚步声所惊起,飞过堤岸时,那漆黑的背上,闪过太阳的反光。

“小家伙,一个人去哪儿啊?”
男人向少年搭话道。
少年的手就这么插在口袋里,前后摇晃了两三下,露出一副惹人喜爱的笑脸。
“去镇上呀。”
这是个不会莫名其妙地害羞、也不会过分怕生的爽快的孩子嘛。男人心想。
于是,两个人就开始聊起来。
“小家伙,叫啥名啊?”
“我叫lian”
“lian?怜平?”
“不是”
少年摇摇头说。
“那是莲花?”
“不是啦,大叔。就单单一个lian字”
“唔,是怎么写的?连络的连吗?”
“不对啦。是一点、一横、一捺、再两点……”
“很难懂啊。大叔不认识那么难的字啊。”
少年于是就用树枝,在地上写了个大大的“廉”字。
“唔,果然是个很难的字啊。”
两个人继续往前走。
“这个啊,大叔,是清廉洁白的廉字哦。”
“什么啊,原来是清廉洁白啊”
“所谓清廉洁白就是什么坏事都不做,就算到了神的面前,就算被警察逮捕了也不会有事的。”
“哎,被警察逮捕了也不会有事啊。”
男人说着笑了笑。
“大叔的外衣口袋很大哎。”
“嗯,这是因为大人的外衣很大嘛,所以口袋也就大啦。”
“暖和吗?”
“口袋里吗?那当然暖和啊,蓬蓬松的,就好像装了暖炉一样。”
“我可以把手伸进去吗?”
“说什么傻话呢,小东西。”
男人戏谑道。
不过,这样的少年也是有的 :打上交道后,如果不碰碰对方的身体,不把手伸到口袋去的话就不行,就是这样古怪粘人的少年
“伸进去又没关系啦。”
少年把手伸进了男人外衣的口袋里。
“什么啊,一点都不暖和。”
“哈哈,是吗?”
“我们老师的口袋要更暖和些哦。早上,我们到学校后,就轮流把手伸进老师的口袋里。是木山老师。”
“是啊。”
“大叔的口袋里好像有个又硬又冷的东西,那是什么?”
“你觉得是什么?”
“是用金属做的……很大……刻着发条一样的花纹。”
突然间,从男人的口袋中,流出了优美的音乐声。两个人都吓了一跳,男人慌慌张张地从上面按住口袋,可是音乐并没有停下。他看了看四周,发现除了少年之外,并没有其他人,这才显出一副松了口气的样子。优美的乐声就好像是天堂的小鸟在歌唱一般,还在继续流淌着。
“大叔,我知道了,这是个钟吧。”
“嗯,八音盒那种玩意儿啊。你碰到了发条,所以它就唱起歌来了。”
“这音乐我很喜欢。”
“是吗?你也知道这音乐?”
“嗯。大叔,能把它从口袋里拿出来吗?”
“不拿出来也没关系啦。”
说话间,音乐停了。
“大叔,可以再让它再响一回吗?”
“嗯,不会被别人听见吧。”
“大叔,干嘛那么东张西望的。”
“因为被人听见的话,会被认为是个怪人吧。都是个大人了,还玩这种小孩子玩具。”
“也是啊。”
接着,从男人的口袋中再次响起了音乐
“大叔,你一直都随身带着这东西吗?”
“嗯,很奇怪吗?”
“很奇怪啊。”
“为什么?”
“我常去玩的药店老板那儿,也有个八音钟,不过他很宝贝这钟,把它放在陈列柜里。”
“什么呀,小家伙,原来你常去那个药店玩啊。”
“嗯,常去啊,是我亲戚家。大叔也知道吗?”
“嗯……大叔也知道一点。”
“那个药店的大爷啊,真的很宝贝那只八音钟,几乎就不让我们这些小孩子碰呢……咦,又停了啊。能再让它响一回吗?”
“还没完了啊?”
“就再一次嘛。呐,大叔,可以的吧。呐,呐。啊,响起来了。”
“你这家伙,自己把钟给弄响了,到底想干什么啊。太狡猾了。”
“我不知道啊。手稍微碰了下,就响起来了。”
“你到底想干嘛啊。话说回来,小家伙,你常去那家药店吗?”
“嗯,因为住得很近,所以常去。我跟那个大爷关系很好哦。”
“哦?”
“不过,大爷不太肯让这八音钟响起来,这钟要响起来的话,大爷就会露出一副寂寞的表情呢。”
“为什么?”
“因为大爷啊,只要一听到八音钟响,就会想起周作来呢。”
“哎……唔”
“这周作啊,是大爷的儿子,是个不良少年,从学校出来后就不知去了哪里。这已经是很久以前的事了。”
“那药店的大爷啊,对那个周作……就是他儿子,说过些什么吗?”
“真是个混账东西,这么说过哦。”
“是吗?是这样啊,混账东西啊,那种家伙。哎,又停了啊。小家伙,就让它再响一回也可以哦。”
“真的吗?……啊,真好听。我的妹妹晶子啊,非常喜欢八音钟呢。她死之前,哭着闹着还想再听一回,就从药店大爷那借来,给她听了。”
“……死了吗?”
“嗯,前年的祭典前死的。坟墓就在灌木丛中,在爷爷的墓旁。爸爸从河滩上捡了像这么大一块圆石头立在墓前,那就是晶子的墓。还是个孩子呢。说起来,到晶子的忌日时,我就会问药店大爷把八音钟借出来,到灌木丛中放给晶子听。灌木丛中的声音,非常清澈呢。”
“嗯……”
两个人走到了一座很大的池塘边。对岸的水面上浮着两三只黑色水鸟。少年看到了,就把手从男人的口袋里拿出来,边拍着手边唱着歌。
“水~鸟儿
水鸟
给你个团子
你来潜个水”
听到少年的歌声,男人问道:
“现在还有在唱这首歌呀?”
“嗯,大叔也知道吗?”
“大叔小时候也这么唱过,戏弄过水鸟呀。”
“大叔小时候也常走这条路吗?”
“嗯,要到镇上的初中去啊。”
“大叔还回来吗?”
“嗯……不太清楚啊。”
到了岔路口。
“小家伙往哪边走?”
“这边。”
“是吗?那再见啦。”
“再见。”
当剩下少年一个人时,他就把手插进自己的口袋,一蹦一跳地往前走。
“小家伙……稍等一下。”
男人在远处喊道。少年停下来,朝那边望去,男人挥着手,又转身回来了。
“有点儿事啊,小家伙。”
男人来到少年身边,一副很不好意思的样子。
“实际上啊,小家伙。大叔昨儿个晚上就借住在那家药店啊。可是,早上起来的时候,慌手慌脚的,就错把药店的钟给拿来了。”
“…………”
“不好意思啊,小家伙,能不能帮我把拿错了的这只钟,还有这个(说着,他从外套里头掏出一个藏得好好的小怀表。)还到药店去?呐,可以吧?”
“嗯。”
少年双手接过八音钟和怀表。
“那就替我向药店的大爷问好啊。再见。”
“再见。”
“小家伙,你的名字是啥来着?”
“清廉洁白的廉呀。”
“嗯,是啊。小家伙是那个清廉……啥的呢。”
“是洁白呀。”
“嗯,洁白,这回不会忘了。要成为一个如名字所说的那样,优秀正直的大人哦。那这回就真的再见了。”
“再见。”
少年就这样双手拿着钟表,目送男人远去。男人的背影越来越小,最后消失在了稻草垛的后面。
少年往前走啊走,边走边像有啥弄不懂似的歪着头。
不一会儿,一辆自行车从少年的后头追了上来。
“啊,药店的大爷。”
“啊,是你啊,廉小子。”
脖子上围着条围巾的老大爷,从自行车上下来,咳嗽了好一阵子,说不出话来。那咳嗽声就像冬夜刮过枯树枝的风声似的,呼呼直响。
“廉小子,你是从村子里走到这的吧?”
“嗯。”
“那你刚才有没有跟从村子里出来的什么男人在一起过?”
“有在一起啊。”
“啊,那、那个钟,为什么你会……”
老人的眼睛紧盯着少年手中拿着的八音钟和怀表。
“那个人啊,他说自己从大爷家错拿了东西,让我还回来。”
“还回来?”
“嗯。”
“是吗?那个混账东西”
“咦?那是谁啊,大爷。”
“那个啊”
大爷这么说着,又咳嗽了好一阵子,
“那是我家的周作啊。”
“哎?真的吗?”
“昨天,十来年没回来的他,回到了家,说自己虽然在很长一段时间里,尽干些坏事,不过这次决定改正了,要真心实意地在镇上的工场干活。所以,我就让他住了一晚。可今儿个早上,他趁我不注意,又伸出了贼手,把这两块钟表给偷走了。那个败家子。”
“大爷,就算是这样,他也是拿错了呀。真的不是跟以前那样呀。他对我说了,人就得要清廉洁白呀。”
“是吗……说了那样的话啊。”
少年把两块钟表交到老人手中。老人用颤巍巍的双手接住时,碰到了八音钟的发条。于是,八音钟又唱起了美丽的歌。
少年、老人和立着的自行车的影子,洒落在广阔的原野上,倾听着美丽的音乐。老人的眼中沁出了泪花。
少年的目光从老人身上移开,眺望着刚才那男人远去的身影所消逝的方向。
一朵白云飘浮在原野的尽头。

##################################################################3

うた時計

新美南吉

二月のある日、野中のさびしい道を、十二、三の少年と、皮のかばんをかかえた三十四、五の男の人とが、同じ方へ歩いていった。
 風がすこしもないあたたかい日で、もう霜(しも)がとけて道はぬれていた。
 かれ草にかげをおとして遊んでいるからすが、ふたりのすがたにおどろいて、土手をむこうにこえるとき、黒い背中(せなか)が、きらりと日の光を反射するのであった。
「坊(ぼう)、ひとりでどこへいくんだ」
 男の人が少年に話しかけた。
 少年はポケットにつっこんでいた手を、そのまま二、三ど、前後にゆすり、人なつこいえみをうかべた。
「町だよ」
 これはへんにはずかしがったり、いやに人をおそれたりしない、すなおな子どもだなと、男の人は思ったようだった。
 そこでふたりは、話しはじめた。
「坊、なんて名だ」
「れんていうんだ」
「れん? れん平(ぺい)か」
「ううん」
と、少年は首を横にふった。
「じゃ、れん一か」
「そうじゃないよ、おじさん。ただね、れんていうのさ」
「ふうん。どういう字書くんだ。連絡(れんらく)の連か」
「ちがう。点をうって、一を書いて、ノを書いて、ふたつ点をうって……」
「むずかしいな。おじさんは、あまりむずかしい字は知らんよ」
 少年はそこで、地べたに木ぎれで「廉」と大きく書いてみせた。
「ふうん、むずかしい字だな、やっぱり」
 ふたりはまた歩きだした。
「これね、おじさん、清廉潔白(せいれんけっぱく)の廉て字だよ」
「なんだい、そのセイレンケッパクてのは」
「清廉潔白というのは、なんにも悪いことをしないので、神様の前へ出ても、巡査につかまっても、平気だということだよ」
「ふうん、巡査につかまってもな」
 そういって、男の人はにやりとわらった。
「おじさんのオーバーのポケット、大きいね」
「うん、そりゃ、おとなのオーバーは大きいから、ポケットも大きいさ」
「あったかい?」
「ポケットの中かい? そりゃあ、あったかいよ。ぽこぽこだよ。こたつがはいってるようなんだ」
「ぼく、手を入れてもいい」
「へんなことをいう小僧(こぞう)だな」
 男の人はわらいだした。でも、こういう少年がいるものだ。近づきになると、相手のからだにさわったり、ポケットに手を入れたりしないと、承知ができぬという、ふうがわりな、人なつこい少年が。
「入れたっていいよ」
 少年は、男の人のがいとうのポケットに、手を入れた。
「なんだ、ちっともあったかくないね」
「はっは、そうかい」
「ぼくたちの先生のポケットは、もっとぬくいよ。朝、ぼくたちは学校へいくとき、かわりばんこに先生のポケットに手を入れていくんだ。木山先生というのさ」
「そうかい」
「おじさんのポケット、なんだか、かたい冷たいものがはいってるね。これなに?」
「なんだと思う」
「かねでできてるね……大きいね……なにか、ねじみたいなもんがついてるね」
 するとふいに、男の人のポケットから美しい音楽が流れだしたので、ふたりはびっくりした。男の人はあわてて、ポケットを上からおさえた。しかし、音楽はとまらなかった。それから男の人は、あたりを見まわして、少年のほかにはだれも人がいないことを知ると、ほっとしたようすであった。天国で小鳥がうたってでもいるような美しい音楽は、まだつづいていた。
「おじさん、わかった、これ時計(とけい)だろう」
「うん、オルゴールってやつさ。おまえがねじをさわったもんだから、うたいだしたんだよ」
「ぼく、この音楽だいすきさ」
「そうかい、おまえもこの音楽知ってるのかい」
「うん。おじさん、これ、ポケットから出してもいい?」
「出さなくてもいいよ」
 すると、音楽は終わってしまった。
「おじさん、もう一ぺん鳴らしてもいい?」
「うん、だアれもきいてやしないだろうな」
「どうして、おじさん、そんなにきょろきょろしてるの?」
「だって、だれかきいていたら、おかしく思うだろう。おとながこんな子どものおもちゃを鳴らしていては」
「そうね」
 そこで、また男の人のポケットがうたいはじめた。
 ふたりはしばらくその音をききながら、だまって歩いた。
「おじさん、こんなものを、いつも持って歩いてるの」
「うん、おかしいかい」
「おかしいなァ」
「どうして」
「ぼくがよく遊びにいく、薬屋のおじさんのうちにも、うた時計があるけどね、だいじにして、店のちんれつだなの中に入れてあるよ」
「なんだ、坊、あの薬屋へ、よく遊びにいくのか」
「うん、よくいくよ、ぼくのうちの親類だもん。おじさんも知ってるの?」
「うん……ちょっと、おじさんも知っている」
「あの薬屋のおじさんはね、そのうた時計をとてもだいじにしていてね、ぼくたち子どもに、なかなかさわらせてくれないよ……あれッ、またとまっちゃった。もう一ぺん鳴らしてもいい?」
「きりがないじゃないか」
「もう一ぺんきり。ね、おじさんいいだろ、ね、ね。あ、鳴りだしちゃった」
「こいつ、じぶんで鳴らしといて、あんなこといってやがる。ずるいぞォ」
「ぼく、知らないよ。手がちょっとさわったら、鳴りだしたんだもん」
「あんなこといってやがる。そいで坊は、その薬屋へよくいくのか」
「うん、じき近くだからよくいくよ。ぼく、そのおじさんとなかよしなんだ」
「ふうん」
「でも、なッかなか、うた時計を鳴らしてくれないんだ。うた時計が鳴るとね、おじさんは、さびしい顔をするよ」
「どうして?」
「おじさんはね、うた時計をきくとね、どういうわけか周作(しゅうさく)さんのことを思い出すんだって」
「えッ……ふうん」
「周作って、おじさんの子どもなんだよ。不良少年になってね、学校がすむと、どっかへいっちゃったって。もうずいぶんまえのことだよ」
「その薬屋のおじさんはね、その周作……とかいうむすこのことを、なんとかいっているかい?」
「ばかなやつだって、いってるよ」
「そうかい。そうだなあ、ばかだな、そんなやつは。あれ、もうとまったな。坊、もう一どだけ、鳴らしてもいいよ」
「ほんと?……ああ、いい音だなあ。ぼくの妹のアキコがね、とっても、うた時計がすきでね、死ぬまえに、もう一ぺんあれをきかしてくれって、ないてぐずったのでね、薬屋のおじさんとこから借りてきて、きかしてやったよ」
「……死んじゃったのかい?」
「うん、おととしのお祭のまえにね。やぶの中のおじいさんのそばにお墓(はか)があるよ。川原(かわら)から、おとうさんが、このくらいのまるい石をひろってきて立ててある、それがアキコのお墓さ、まだ子どもだもんね。そいでね、命日(めいにち)に、ぼくがまた薬屋からうた時計を借りてきて、やぶの中で鳴らして、アキコにきかしてやったよ。やぶの中で鳴らすと、すずしいような声だよ」
「うん……」
 ふたりは大きな池のはたに出た。むこう岸の近くに、黒く二、三ばの水鳥がうかんでいるのが見えた。それを見ると少年は、男の人のポケットから手をぬいて、両手をうちあわせながらうたった。
「ひィよめ、
 ひよめ、
 だんご、やァるに
 くウぐウれッ」
 少年のうたうのを聞いて、男の人がいった。
「いまでもその歌をうたうのかい?」
「うん、おじさんも知っているの?」
「おじさんも子どものじぶん、そういって、ひよめにからかったものさ」
「おじさんも小さいとき、よくこの道をかよったの?」
「うん、町の中学校へかよったもんさ」
「おじさん、また帰ってくる?」
「うん……どうかわからん」
 道がふたつにわかれているところにきた。
「坊はどっちィいくんだ」
「こっち」
「そうか、じゃ、さいなら」
「さいなら」
 少年はひとりになると、じぶんのポケットに手をつっこんで、ぴょこんぴょこんはねながらいった。
「坊ゥ……ちょっと待てよォ」
 遠くから男の人がよんだ。少年はけろんと立ちどまって、そっちを見たが、男の人がしきりに手をふっているので、またもどっていった。
「ちょっとな、坊」
 男の人は、少年がそばにくると、すこしきまりのわるいような顔をしていった。
「じつはな、坊、おじさんはゆうべ、その薬屋のうちでとめてもらったのさ。ところがけさ出るとき、あわてたもんだから、まちがえて、薬屋の時計を持ってきてしまったんだ」
「…………」
「坊、すまんけど、この時計とそれから、こいつも(と、がいとうの内かくしから、小さい懐中時計(かいちゅうどけい)をひっぱり出して)まちがえて持ってきちまったから、薬屋に返してくれないか。な、いいだろう?」
「うん」
 少年はうた時計と懐中時計を、両手にうけとった。
「じゃ、薬屋のおじさんによろしくいってくれよ。さいなら」
「さいなら」
「坊、なんて名だったっけ」
「清廉潔白(せいれんけっぱく)の廉(れん)だよ」
「うん、それだ、坊はその清廉……なんだっけな」
「潔白だよ」
「うん潔白、それでなくちゃいかんぞ。そういうりっぱな正直なおとなになれよ。じゃ、ほんとにさいなら」
「さいなら」
 少年は、両手に時計を持ったまま、男の人を見送っていた。男の人はだんだん小さくなり、やがて稲積(いなづみ)のむこうに見えなくなってしまった。少年はてくてくと歩きだした。歩きながら、なにかふにおちないものがあるように、ちょっと首をかしげた。
 まもなく少年のうしろから自転車が一台、追っかけてきた。
「あッ、薬屋のおじさん」
「おう、廉坊(れんぼう)、おまえか」
 えりまきであごをうずめた、年よりのおじさんは、自転車からおりた。そしてしばらくのあいだ、せきのためものがいえなかった。そのせきは、冬の夜、枯木(かれき)のうれをならす風の音のように、ヒュウヒュウいった。
「廉坊、おまえは村から、ここまできたのか」
「うん」
「そいじゃ、いましがた、村からだれか男の人が出てくるのと、いっしょにならなかったか」
「いっしょだったよ」
「あッ、そ、その時計、おまえはどうして……」
 老人は、少年が手に持っているうた時計と懐中時計に目をとめていった。
「その人がね、おじさんの家でまちがえて持ってきたから、返してくれっていったんだよ」
「返してくれろって?」
「うん」
「そうか、あのばかめが」
「あれ、だれなの、おじさん」
「あれか」
 そういって老人は、また長くせきいった。
「あれは、うちの周作(しゅうさく)だ」
「えッほんと?」
「きのう、十なん年ぶりで、うちへもどってきたんだ。ながいあいだ悪いことばかりしてきたけれど、こんどこそ改心して、まじめに町の工場ではたらくことにしたから、といってきたんで、ひと晩とめてやったのさ。そしたら、けさ、わしが知らんでいるまに、もう悪い手くせを出して、このふたつの時計をくすねて出かけやがった。あのごくどうめが」
「おじさん、そいでもね、まちがえて持ってきたんだってよ。ほんとにとっていくつもりじゃなかったんだよ。ぼくにね、人間は清廉潔白(せいれんけっぱく)でなくちゃいけないっていってたよ」
「そうかい。……そんなことをいっていったか」
 少年は老人の手にふたつの時計をわたした。うけとるとき、老人の手はふるえて、うた時計のねじにふれた。すると時計は、また美しくうたいだした。
 老人と少年と、立てられた自転車が、広い枯野(かれの)の上にかげを落として、しばらく美しい音楽にきき入った。老人は目になみだをうかべた。
 少年は老人から目をそらして、さっき男の人がかくれていった、遠くの、稲積の方をながめていた。
 野のはてに、白い雲がひとつういていた。

底本:「牛をつないだ椿の木」角川文庫、角川書店
   1968(昭和43)年2月20日初版発行
   1974(昭和49)年1月30日12版発行
入力:もりみつじゅんじ
校正:門田裕志、小林繁雄
2005年6月5日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。

#2 十画 2009-07-30

“二月的一天,在寂静的野地里,有一个十二三岁的少年和一个三十四五、身挎皮包的男人,走在同一条道上。
天很暖和,没有一丝风,道路上的积雪已经融化,一片湿漉。
在枯草的背影处玩闹的乌鸦,被两个人惊吓到,飞过堤岸时,那漆黑的背上,闪过太阳的反光。”

这段稍微修改,成这样怎样?

二月的一天,在寂静的野地里,有个少年和一个中年男子同路走着,少年十二三岁的模样,男子三十四五岁,斜挎一个皮包。
天很暖和,没有一丝风,路上的积雪已经融化,湿漉漉的。
枯草的影子里,有几只乌鸦在玩耍,被两人的脚步惊起,飞过堤岸,乌鸦漆黑的背上,闪过太阳的反光。

#3 盈果 2009-07-30

非常让人回味的一个故事啊。

#4 茗风 2009-07-30

完了,我爱上日本童话了

#5 囡囡妈 2009-08-02

啊呀,好细腻的一篇文章啊,很打动人。。 图片占位:http://rs.phpwind.net/E___5372ZHJBPWFG.gif

那些对话,很有日本味道。。想象一下,很有画面感。

#6 甜老虎 2009-08-20

很喜欢这个故事,自己也试着翻译了一下。

八音钟

二月的某天,在寂静的野地,一个十二三岁的少年,和一个挎着包的中年男人并排走着。
没有一丝风的温暖天气,道路被融化的霜浸的透湿。
落在草地阴影处玩耍的乌鸦,被两人的身影惊起,飞过河堤对岸,太阳的光芒在它们黑色的背羽上闪过。
“小子,独个儿一人要去哪里?”
男人跟少年搭话。
少年塞在口袋里的手前后摇了两三下后,现出不认生的笑。
“镇上哦。”
并不腼腆,也不怕生,是个老实爽快的孩子呢,男人想。于是两人开始说话了。
“小子,叫什么名字?”
“都叫我连。”
“连?是连平吧?”
“唔,”
少年摇头。
“那,是连华?”
“不是那样的,大叔啊,只是叫我连就好啦。”
“嗯。是怎样写的字呢?联络的连吗?”
“不是哦,是一点一横,一撇,加两个点......"
“好难啊,叔叔我啊,稍微难点的字都不认识。”
于是少年在地上用木棍写了一个大大的“廉”字。
“唔,果然是个难写的字啊。”
两个人继续走。
“这个呢,大叔,是清廉洁白的廉字呢。”
“什么啊,清廉洁白是啥啊?”
“清廉洁白,就是什么坏事都不会做,即使是到了神佛面前,或者是在警察那里,都还是会平心静气的哦。”
“嗯,即使被警察抓着也没事的啊。”
如此说着,男人笑了一下。
“大叔的外套口袋,真大啊。”
“嗯,是这样,大人的外套大,所以口袋也大。”
“暖和吗?”
“口袋里?暖和的哦,暖烘烘的哦,像被烤炉烤着似的。”
“让我把手放一会儿也可以?”
“真是个说傻话的毛孩子啊!”
男人笑了笑。不过,这样的男孩也是有的,熟了以后,就是想得到这样的允许,允许碰碰对方啦,允许把手伸进对方口袋啦,就是这样一个古怪的,黏人的男孩。
“放进来也好哦。”
少年把手伸进了男人东边的口袋。
“什么啊,一点都不暖和嘛。”
“哈哈,是吗?”
“我们老师的口袋可暖和了,早上,我们来到学校,轮流把手放进老师的口袋里,是叫山木的老师。”
“是这样啊。”
“大叔的口袋,有个又冷又硬的东西,是什么啊?”
“你觉得呢?”
“是个金属的......挺大的......还带着一个发条样的东西呢。”
这么说着,突然间,男人的口袋里传出美妙的乐声,两个人都被吓到了。男人慌张地把手捂在口袋上,但是,却捂不住流淌的音乐。男人抬起头,确定周围除了少年再无其他人后,这才放松下来。美妙的音乐犹如天国的小鸟在歌唱般,仍在继续。
“大叔,我明白了,这是个钟表对吧?”
“嗯,就是叫八音钟的玩意。你刚才碰到了发条,所以它就唱起歌来啦。”
“我,特别喜欢这曲子。”
“是吗?你也知道这曲子?”
“大叔,把它从口袋里拿出来好吗?”
“呃,不拿出来好不好?”
正说着,音乐停止了。
“大叔,能让它再响一遍?”
“嗯,会被别的人听到的吧?”
“为什么大叔你总是东张西望的啊?”
“呃,要是被谁听见,会觉得奇怪吧,一个大人让这样小孩子的玩具响个不停。”
“是的呢。”
这时,男人的口袋又开始传来音乐声。
两人听着响了许久的音乐,沉默前行。
“大叔,这个东西,你一直带着到处走吗?”
“嗯,奇怪吗?”
“奇怪的哦。”
“为什么?”
“在我常去玩的药店的大伯家,也有个八音钟,很宝贝的,是放在店里的陈列柜里的哟。”
“啥~小子,那个药店你经常去玩?”
“对啊,经常去的,那是本家的亲戚哦,大叔也知道他们家?”
“唔,一点点啦,大叔知道一点。”
“那个药店的大伯哦,把那只钟宝贝的不得了,像我们这样的小孩,是无论如何也不给碰一下的......咦,又不响啦,再听一遍吧!”
“还有完没完啦?”
“再一遍,哪,大叔,哪,哪,再听一遍吧!”
“你这孩子,自己把钟摇响了,自己都会搞了,真狡猾啊。”
“我,不知道的,手稍微一碰,它就响起来啦。”
“你到底想干嘛啊。话说回来,小子,你常去那家药店?”
“嗯,住得很近经常去哦。我,和那个大伯关系不错的。”
“哦?”
“不过,大伯不肯让八音钟响呢,钟一响起来,大伯就一脸的寂寞。”
“为什么?”
“是因为大伯一听到八音钟的响声,就会想起周作来的缘故吧。”
“哎....唔”
“这周作啊,是大伯的儿子,是个不良少年的说,从学校出来后就不知去哪里。这都是很久以前的事了。”
“药店的大伯啊,对,那个周作……就是他儿子,说过些什么吗?”
“真是个混账东西,这么说过哦。”
“是吗?是这样啊,混账东西啊,那种家伙。哎,又停了啊。小子,再响一回也可以的,来。”
“真的吗?……啊,真好听啊。我的妹妹晶子啊,真的是非常喜欢八音钟呢。她死之前,哭着闹着还想再听一回,就从药店大爷那借来,给她听了。”
“……死啦?”
“嗯,前年的祭奠前呢,墓就在爷爷的墓边上,草丛里。爸爸从河滩上捡了一块这么大的圆石立起来,那就是晶子的墓,还是个孩子呢。说起来,每晶子的忌日,我就会向药店大伯借八音钟,在草丛中放给晶子听。在草丛里的声音,很清澈呢。”
“嗯……”
两人走到一个很大的水塘。看到对面靠岸的地方,浮着两三只黑色水鸟。少年见状,抽出了放在男人口袋里的手,两手打着拍子唱起来:

“水~鸟儿
   水鸟
   饭团给你,
   你来潜水”
听了少年的歌声,男人说:
“现在还在唱这首歌?”
“嗯,大叔也知道的?”
“大叔小时候也这样唱着逗水鸟。”
“大叔小时候也常走这条路?”
“嗯,要到镇上的初中去的。”
“大叔还回来吗?”
“嗯……不太清楚啊。”
他们来到岔路口。
“小子,你往哪边走?”
“这边。”
“是吗?那再见啦。”
“再见。”
少年独自一人了,他把手插进了自己的口袋,蹦蹦跳跳着朝前走去。
“小子……等一下哦。”
远处的男人喊起来。少年停住了,看到男人在那边急切地挥着手,又折回来了。
“那个,小子”
男人走到少年身旁,有点难为情的神色。
“其实呢,小子,大叔昨天晚上就借住在那家药店的啊。可是,早上起来的时候,慌手慌脚的,就错把药店的钟给拿来了。”
“……”
“不好意思啊,小子,能不能帮我把拿错了的钟,还有这个(说着,他从外套里掏出一个藏得好好的小怀表)还回药店去?哪,行吧?”
“嗯。”
少年双手接过八音钟和怀表。
“那,替我跟药店的大伯说多谢关照啊。再见啦。”
“再见。”
“小子,你的名字是什么来着?”
“清廉洁白的廉呀。”
“嗯,是的呢,小子是那个清廉……什么来着。”
“洁白哦。”
“嗯,洁白,会记得的。要成为了不起的正直的大人哦,这次真的再见了。”
“再见。”

少年两手拿着钟表,目送男人离去。男人渐行渐远,终于在稻草垛的背后消失不见。少年不住脚地往前走去,边走边觉得有什么东西不太对劲儿,他歪着头琢磨。
不多一会儿的时间,一辆自行车从少年的身后追了过来。
“啊,药店的大伯。”
“哦,是你,廉小子。”
脖子上围着条围巾的大伯下了自行车,咳嗽了好一阵子,说不出话来。那咳嗽声像是冬夜刮过枯树枝的风声,咻咻的。
“廉小子,你是从村子里走到这的吧?”
“嗯。”
“那,有没有跟刚才从村子里出来的男人一起走过?”
“有在一起啊。”
“啊,那、那个钟,你怎么会……”
老人看到了少年手中的八音钟和怀表。
“那个人啊,他说自己从大伯家错拿了东西,让我还回来。”
“还回来?”
“嗯。”
“是吗?那个混账东西”
“咦?那是谁啊,大伯。”
“那个嘛”
老人如此一说,又是一阵长时间的咳嗽,
“那是我家的周作啊。”
“真的啊?”
“昨天,十多年没回来的他,回家了,说什么自己虽然在这么久了一直在干坏事,不过这次决定改正了,要真心实意地在镇上工场干活。于是我就让他住了一宿。可今早,他趁我不注意,又伸出了贼手,把这两块钟表给偷走了。这个败家子。”
“大伯,就算这样,他也是拿错了啊。并不是真的想拿的啊,他说过,我呢,一定要做清廉洁白的人呢。”
“是~吗……是那样说的吗。”

少年把两只表递还在老人手上,接八音钟时,老人的手抖了,碰到了钟表的发条,于是时钟再次唱起美妙的歌。
老人和少年,还有伫立在一旁的自行车,影子在广阔的荒野里投射,他们倾听良久动人的歌,老人的眼中有泪水闪动。
少年的目光从老人身上移开,朝刚才男人消失的地方,遥远的,稻草垛的方向眺望。
野地的尽头,那里有一朵洁白的云。