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《独角仙》(又名《小太郎的悲伤》)新美南吉

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精华
楼主:流云之鹰 2009-09-23

《独角仙》(又名《小太郎的悲伤》)
新美南吉

一只好大的虫子嗡的一声,从花田里飞向空中。
或许是因为身体太重了,它飞得很慢很慢,在飞到离地面1米高的地方,就开始水平地飞行了。
果然是因为身体太重了,所以才飞得这么慢。
虫子就这样慢慢地向马棚的拐角处飞去。
小太郎发现了虫子,他从走廊上跳下来,拿起网子,光着脚追了上去。
虫子飞过马棚的拐角,停在了长满草的堤坝上,堤坝从花田一直延伸到了麦田里。
小太郎抓住虫子一瞧,是只独角仙。
“啊,是独角仙。有只独角仙啊。”小太郎喊道。
可是,没有人应声。因为小太郎是个独生子,他没有兄弟姐妹。所谓的独生子,在这种时候就显得特别地没劲了。
小太郎回到走廊上,把抓到的虫子拿给奶奶看:
“奶奶,有只独角仙呀。”
坐在走廊上打瞌睡的奶奶睁开眼,看了看独角仙说:
“什么呀,是螃蟹啊。”
然后,又闭上了眼睛。
“不对啦,是独角仙。”小太郎提高声音说道。
可奶奶却一副螃蟹也好,独角仙也好都没关系的样子,迷迷糊糊地嗯嗯着,不再睁开眼了。
小太郎从奶奶膝盖上搁着的线团里剪下一根线,绑住独角仙的后腿,然后让它在走廊的地板上爬。
独角仙像头牛似的,摇摇晃晃往前爬。但因为小太郎按住了绳子,它没法继续前进,只能嘎吱嘎吱地挠着地板。
就这么玩了会儿,小太郎感到厌倦了。独角仙肯定还有更好的玩法,肯定有谁会知道该怎么玩的。

于是,小太郎把草帽往大脑袋上一戴,把独角仙绑好,出门去了。
中午的时间,四下里都非常宁静,只有拍打席子的嘭嘭声。
小太郎头一个去的是金平家,他家离得最近,就在桑田里。
金平家养了两只火鸡,它们常常会跑到院子里来。小太郎害怕,不敢走进院子,就在篱笆那儿一边朝里头偷看,一边小声叫道:“金平,金平。”
要是只有金平听到就好了,要是火鸡听不到就好了。

因为金平好像还没听到,小太郎就不停地叫啊叫啊。
最后,屋子里终于传出了答话声。
“金平啊,”那是金平爸爸发困的声音,“金平啊,从昨儿晚上就开始闹肚子,现在刚睡着了,下次再找他玩吧。”
“唔。”小太郎从鼻子里发出一声轻轻的哼声,离开了篱笆。
他有点儿失望。
不过,等明天金平的肚子好了再一起玩就是了。他想。

这一次,小太郎去的是比自己大一岁的恭一君家。
恭一君家虽然只是个小小的农户,但房子四周长满了松树、椿树和柿子树等等。恭一君很会爬树,他常常爬到树上去,看到有不知情的人路过,就往他头上扔柿子,吓人一大跳。
就算没爬到树上时,他也常常会躲在暗处,从背后哇的大叫一声吓唬人。所以小太郎一走到恭一君家附近,就小心谨慎起来,上下左右,甚至连背后都警戒着,小心翼翼往前走。
可这次,哪棵树上都没有恭一君,哪个暗处都没藏着恭一君。
“恭一君啊,”在院子里拌饲料的伯母告诉小太郎,“因为有事,昨天被送到三河的亲戚家去住了。”
“唔。”小太郎从鼻子里发出一声轻轻的哼声。
这是怎么回事?要好的恭一君被送到大海对面的三河地区某个村子里寄养了。
“那,还会再回阿嚏?”小太郎打了个喷嚏,问道。
“是啊,到时候总会回来的吧。”
“什么时候?”
“盂兰盆节的时候啊,正月里啊,应该会回来吧。”
“真的吧,伯母?正月里真的会回来吧?”
小太郎没有失去希望,因为盂兰盆会的时候还能再和恭一君一起玩,正月里也是。

拿着独角仙的小太郎,爬上了窄窄的坡道,朝大路走去。
车工的家就在大路边上,他家的安雄已经是个能上青年学校的大孩子了,可他仍旧是小太郎他们的好朋友,总在一起玩捉迷藏和打仗游戏。安雄还有一个本领特别受这些小孩子们的崇拜,那就是不管什么树叶、草叶,他只要用手那么骨碌碌一卷,再放到嘴边就能咻咻地吹响。而且,不管是多么无趣的东西,经过安雄的巧手一摆弄,就会变成非常好玩的玩具。
来到车工家附近时,小太郎心里不觉期待起来:安雄究竟会想出什么有趣的玩法来玩独角仙呢?
小太郎把头搭在窗格上,朝安雄家的作坊里偷看,他的下巴正好到窗格这儿。安雄在家,他正和伯父两个人在作坊一角的磨刀石上打磨刨子的刀刃呢。再好好地瞧了瞧,安雄今天还穿上了工作服,围着一条黑黑的围裙。
“都跟你说了,不是这样子磨的,你怎么就不明白呢。”伯父很不高兴地说着。
安雄好像正向伯父请教打磨刀刃的方法,他满脸通红地拼命干着,一点儿都没注意到一直在等他的小太郎。
“安哥,安哥。”小太郎小声地叫道。
要是只有安雄一个人听见就好了。
可在那么狭小的地方,这是办不到的。伯父听到了,非常地生气。他一直是个不会对孩子说的傻话生气的人,可今天好像因为其他什么事,正在气头上。他那又粗又浓的眉毛抽动着,以一副拒人千里之外的样子说:“我们家的安雄啊,从今天起就是个独当一面的大人了,不会再跟小孩子玩了。小孩子嘛跟小孩子去玩就是了。”
安雄这时才看见小太郎,他无奈地轻轻笑笑,然后再次全神贯注地投入了自己的工作中。
小太郎就像从枝头上落下的虫子般,无力地离开了安雄家的作坊。
然后无所事事地闲逛着。

小太郎的胸中涌起了深深的悲伤。
因为安雄已经不会再回到小太郎的身边了,因为他们已经不能再在一起玩了。
肚子疼的话,到明天就能好了;被送到三河地区寄养的话,也总有一天会回来的;但是,进入了大人世界的人,就再也回不到孩子的世界了。
安雄并没有去远方,就在同一个村子里,近在眼前。可是从今天开始,安雄和小太郎就是生活不同世界的人了,再也没法一起玩了。
小太郎胸中的悲伤就如同天空那般辽阔深远,心中的空洞不断地扩大。
有的悲伤可以哭出来,哭出来后就会消失。
可是,有的悲伤没法哭出来。哭也好,做什么也好,怎么都不会消失。现在,小太郎心中滋长着的,正是这哭不出来的悲伤。
小太郎独自一个人坐在西边的山头上发呆,他紧皱着眉头,就好像在看天际的火烧云,在看什么刺眼的东西似的。他久久地、久久地望着。就连独角仙什么时候从手指边偷偷溜走了也没发现……

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原文:

かぶと虫

新美南吉

お花畑から、大きな虫が一ぴき、ぶうんと空にのぼりはじめました。
 からだが重いのか、ゆっくりのぼりはじめました。
 地面から一メートルぐらいのぼると、横に飛びはじめました。
 やはり、からだが重いので、ゆっくりいきます。うまやの角(かど)の方へ、のろのろといきます。
 見ていた小さい太郎は、縁側(えんがわ)からとびおりました。そして、はだしのまま、ふるいを持って追っかけていきました。
 うまやの角をすぎて、お花畑から、麦畑へあがる草の土手(どて)の上で、虫をふせました。
 とってみると、かぶと虫でした。
「ああ、かぶと虫だ。かぶと虫とった。」
 と、小さい太郎はいいました。けれど、だれも、なんともこたえませんでした。小さい太郎は、兄弟(きょうだい)がなくてひとりぼっちだったからです。ひとりぼっちということは、こんなとき、たいへんつまらないと思います。
 小さい太郎は、縁側にもどってきました。そしておばあさんに、
「おばあさん、かぶと虫とった。」
 と、見せました。
 縁側(えんがわ)にすわって、いねむりしていたおばあさんは、目をあいてかぶと虫を見ると、
「なんだ、がにかや。」
 といって、また目をとじてしまいました。
「ちがう、かぶと虫だ。」
 と、小さい太郎は、口をとがらしていいましたが、おばあさんには、かぶと虫だろうががにだろうが、かまわないらしく、ふんふん、むにゃむにゃといって、ふたたび目をひらこうとしませんでした。
 小さい太郎は、おばあさんのひざから糸切れをとって、かぶと虫のうしろの足をしばりました。そして、縁板(えんいた)の上を歩かせました。
 かぶと虫は、牛のようによちよちと歩きました。小さい太郎が糸のはしをおさえると、前へ進めなくて、カリカリと縁板をかきました。
 しばらくそんなことをしていましたが、小さい太郎はつまらなくなってきました。きっと、かぶと虫には、おもしろい遊び方があるのです。だれか、きっとそれを知っているのです。

そこで、小さい太郎は、大頭に麦わらぼうしをかむり、かぶと虫を糸のはしにぶらさげて、門口(かどぐち)を出ていきました。
 昼は、たいそうしずかで、どこかでむしろをはたく音がしているだけでした。
 小さい太郎は、いちばんはじめに、いちばん近くの、くわ畑の中の金平(きんぺい)ちゃんの家へいきました。金平ちゃんの家には、しちめんちょうを二わかっていて、どうかすると、庭に出してあることがありました。小さい太郎はそれがこわいので、庭まではいっていかないで、いけがきのこちらから中をのぞきながら、
「金平ちゃん、金平ちゃん。」
 と、小さい声でよびました。金平ちゃんにだけ聞こえればよかったからです。しちめんちょうにまで、聞こえなくてもよかったからです。
 なかなか金平ちゃんに聞こえないので、小さい太郎は、なんどもくりかえしてよばねばなりませんでした。
 そのうちに、とうとう、うちの中から、
「金平はのォ。」
 と、返事がしてきました。金平ちゃんのおとうさんのねむそうな声でした。
「金平は、よんべから腹(はら)がいとうてのォ、ねておるのだで、きょうはいっしょに遊べんぜェ。」
「ふウん。」
 と、聞こえないくらいかすかに鼻の中でいって、小さい太郎はいけがきをはなれました。
 ちょっとがっかりしました。
 でも、またあしたになって、金平ちゃんのおなかがなおれば、いっしょに遊べるからいいと思いました。

こんどは、小さい太郎は、ひとつ年上の恭一(きょういち)君の家にいくことにしました。
 恭一君の家は、小さい百姓家(ひゃくしょうや)でしたが、まわりに、松や、つばきや、かきや、とちなど、いろんな木がいっぱいありました。恭一君は木のぼりがじょうずで、よくその木にのぼっていて、うかうかと、知らずに下を通ったりすると、つばきの実を頭の上に落としてよこして、おどろかすことがありました。
 また、木にのぼっていないときでも、恭一君はよく、もののかげや、うしろから、わっといってびっくりさせるのでした。ですから小さい太郎は、恭一君の家の近くにくると、もうゆだんができないのです。上下左右、うしろにまで気をつけながら、そろりそろりと進んでいきます。
 ところがきょうは、どの木にも恭一君はのぼっていません。どこからも、わっといってあらわれてきません。
「恭一はな。」
 と、にわとりに餌(えさ)をやりに出てきたおばさんが、きかしてくれました。
「ちょっとわけがあってな、三河(みかわ)の親類へきのう、あずけただがな。」
「ふゥん。」
 と、小さい太郎は、聞こえるか聞こえないくらいに、鼻の中でいいました。なんということでしょう。なかのよかった恭一君が、海のむこうの三河(みかわ)のある村に、もらわれてしまったというのです。
「そいで、もう、もどってきやしん?」
 と、せきこんで小さい太郎はききました。
「そや、また、いつかくるだらあずに。」
「いつ?」
「ぼんや正月にゃ、くるだらあずにな。」
「ほんとだねおばさん、ぼんと正月にゃもどってくるね。」
 小さい太郎は、望みをうしないませんでした。ぼんにはまた、恭一(きょういち)君と遊べるのです。正月にも。

かぶと虫を持った小さい太郎は、こんどは細い坂道をのぼって、大きい通りの方へ出ていきました。
 車大工さんの家は、大きい通りにそってありました。そこの家の安雄(やすお)さんは、もう青年学校にいっているような大きい人です。けれど、いつも、小さい太郎たちのよい友だちでした。じんとりをするときでも、かくれんぼをするときでも、いっしょに遊ぶのです。安雄さんは小さい友だちから、とくべつに尊敬(そんけい)されていました。それは、どんな木の葉、草の葉でも、安雄さんの手でくるくるとまかれ、安雄さんのくちびるにあてると、ピイと鳴ることができたからです。また安雄さんは、どんなつまらないものでも、ちょっと細工をして、おもしろいおもちゃにすることができたからです。
 車大工さんの家に近づくにつれて、小さい太郎の胸(むね)は、わくわくしてきました。安雄さんがかぶと虫でどんなおもしろいことを考え出してくれるかと、思ったからです。
 ちょうど、小さい太郎のあごのところまであるこうしに、首だけのせて、仕事場の中をのぞくと、安雄さんはおりました。おじさんとふたりで、仕事場のすみのといしで、かんなの刃(は)をといでいました。よく見るときょうは、ちゃんと仕事着をきて、黒い前だれをかけています。
「そういうふうに力を入れるんじゃねえといったら、わからんやつだな。」
 と、おじさんがぶつくさいいました。安雄さんは、刃のとぎ方をおじさんにおそわっているらしいのです。顔をまっかにして一生けんめいにやっています。それで、小さい太郎の方を、いつまで待っても見てくれません。
 とうとう、小さい太郎はしびれをきらして、
「安さん、安さん。」
 と、小さい声でよびました。安雄さんにだけ聞こえればよかったのです。
 しかし、こんなせまいところでは、そういうわけにはいきません。おじさんが聞きとがめました。おじさんは、いつもは子どもにむだぐちなんかきいてくれるいい人ですが、きょうは、なにかほかのことではらをたてていたとみえて、太いまゆねをぴくぴくと動かしながら、
「うちの安雄はな、もう、きょうから、一人まえのおとなになったでな、子どもとは遊ばんでな、子どもは子どもと遊ぶがええぞや。」
 と、つっぱなすようにいいました。
 すると安雄さんが、小さい太郎の方を見て、しかたがないように、かすかにわらいました。そしてまたすぐ、じぶんの手先に熱心な目をむけました。
 虫がえだから落ちるように、力なく、小さい太郎はこうしからはなれました。
 そして、ぶらぶらと歩いていきました。

小さい太郎の胸(むね)に、深い悲しみがわきあがりました。
 安雄さんはもう、小さい太郎のそばに帰ってはこないのです。もういっしょに遊ぶことはないのです。おなかがいたいなら、あしたになればなおるでしょう。三河(みかわ)にもらわれていったって、いつかまた帰ってくることもあるでしょう。しかし、おとなの世界にはいった人が、もう子どもの世界に帰ってくることはないのです。
 安雄さんは、遠くにいきはしません。同じ村の、じき近くにいます。しかし、きょうから、安雄さんと小さい太郎は、べつの世界にいるのです。いっしょに遊ぶことはないのです。
 小さい太郎の胸には、悲しみが空のようにひろく、深く、うつろにひろがりました。
 ある悲しみは、なくことができます。ないて消すことができます。
 しかし、ある悲しみはなくことができません。ないたって、どうしたって、消すことはできないのです。いま、小さい太郎の胸(むね)にひろがった悲しみは、なくことのできない悲しみでした。
 そこで小さい太郎は、西の山の上にひとつきり、ぽかんとある、ふちの赤い雲を、まぶしいものを見るように、まゆをすこししかめながら、長いあいだ見ているだけでした。かぶと虫がいつか指からすりぬけて、にげてしまったのにも気づかないで――。

底本:「童話集 ごんぎつね|最後の胡弓ひき ほか十四編」講談社文庫、講談社
   1972(昭和47)年2月15日第1刷発行
   1988(昭和63)年1月30日第30刷発行
入力:土屋隆
校正:noriko saito
2005年6月15日作成
青空文庫作成ファイル:
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